思いを焼き付ける湿板写真
22日23日はスペシャルイベント「写真のある暮らし」が行われました。
二日間でたくさんのお客さんに来ていただき、今もまだその余韻が残っているかのようです。
色の濃いイベントだったのでコラムでも少しづつ振り返っていきたいと思います。
まずは写真家の松元康明さんによる湿板写真のワークショップです。
この湿板写真というのは僕も以前体験させてもらいましたが>写真ワークショップ湿板写真を体験
8×10カメラといわれる大判カメラを用いて薬品を塗布したガラスに写真を焼き付けるものです。
このワークショップでは作成の工程を見学しながら、最終的な構図や露出時間を一緒に決めていきます。
皆さんそれぞれご自身のアンティークのカメラやオペラグラス、生のタコの脚など個性豊かな被写体を持参していただきました。
まずは先生と一緒に構図を決めていきます。
構図を決めたらガラスのフィルムを装着して撮影開始です。
ですが一発ではなかなかきれいに撮れません。
紫外線で感光するため日照条件が撮影に大きく影響するのがこの写真の難しいところ。
何度も試行錯誤をしてベストな露出を探り当てます。
きれいに撮れると現像液につけた後、だんだんと像が浮かび上がってきます。
白い状態から見えてくる姿は何度見ても声が出てしまうほど。
モノトーンのためか被写体の素材感が生々しく感じられます。
僕もそうでしたがみなさん湿板写真からは奥行を感じるとおっしゃられていました。
何か次元がもうひとつ増えたような、言葉では表せない魅力が湿板写真にはあります。
一眼レフで撮ったこの写真もまた、一瞬を切り取るためには非常にありがたいツールです。
ですがこの苦労して撮った湿板写真には瞬間ではない、流れた時間が一緒に閉じ込められているような気がします。
あぁ、あの時はこうだったなと振り返るとき、この写真は生きていると感じることでしょう。
お手伝いをさせていた僕も驚きと発見にあふれたとても楽しいワークショップでした。
次回>写真と過ごした時間 日光写真編
こんな素敵なイベントを催してくださった松元康明さんの写真展は10月8日まで開催しています。
是非ともご覧になりにいらしてください。
>「写真と過ごした時間 湿板写真編」
>「写真と過ごした時間 日光写真編」
>「写真と過ごした時間 DEARS COFFEE編」