湿板写真を1日体験
今回は来月に行う写真のイベントのご紹介です。
9月22日23日に写真作家の松元康明さんによるワークショップを行います。
このイベントでは、太陽の光で写真を現像する「日光写真体験」とガラスに焼き付けて印刷する「湿板写真」を開催。
先日その「湿板写真」を体験させていただきました。
ガラスに写真を焼き付けるよ、といわれてもいまいちピンとこない方もいらっしゃると思います。
ということで湿板写真のいろはの"い"をご紹介。
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まずはA4ほどのガラス板に薬品を手早く塗布していきます。
この液体が光に反応して写してくれるようです。
そのままガラスを専用のケースに入れるとこれがフィルムとなります。
フィルムが完成するとこれまた珍しいカメラの登場です。
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8×10カメラといわれる大判カメラで大きな蛇腹が特徴的なフランスのアンティーク品。
板の状態から開くとカメラになるという図は衝撃的でした。
レンズも当時使われていたものをそのまま使用しており、真鍮でできたボディからは重厚感と深い味わいを感じさせます。
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黒布をかぶりながらピントを調節。
フィルムは紫外線に反応して焼き付けられるので太陽の位置によってシャッターを開ける長さが変わります。
湿板写真で有名な坂本龍馬の写真は30分かかったそうです。
今回は太陽に少し雲がかかっていましたが5秒で大丈夫でした。
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そしてシャッターはなんとレンズの蓋。
手で取って時間が経つと蓋をするという何とも原始的な手法で、工作で作ったピンホールカメラを思い出しました。
そしてフィルムを現像していきます。
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水の入ったトレイの中のガラスはネガの状態からだんだんと姿かたちを現します。
くっきりと見え始めた写真には立体感とセピアカラーの独特な雰囲気がありました。
写真をスマホで簡単に素早く撮れるようになった時代に時間をかけて撮ったこの写真は思わず「おぉ!」と声が出るほど。
更に色を無くしたことで表情の機微が浮かび上がってくるようなそんな情緒あふれる一枚になりました。
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(オーナーも興味津々でした。)
なかなかガラス湿板写真を体験できるワークショップは少なく、非常に希少な経験が出来るかと思います。
家族や恋人との写真でも、お気に入りの品の物撮りでも構いません。
この機会に特別な一枚を撮ってみませんか?
当日はAcruさんのカスタムオーダー会も同時開催しており、僕も今から楽しみなイベントです。
ワークショップは事前予約が必要となりますが、写真に興味のある方はどなたでも楽しんでいただけると思います。
是非お気軽にご参加ください。